玉掛け技能講習の取り方・費用・日数|資格手当や時給も

工場の求人を見ていると、「玉掛け技能講習修了者歓迎」と書かれていることがあります。フォークリフトと同じくらいよく見る資格ですが、何ができるようになるのか、いくらでどれくらいの日数で取れるのか、よくわからない人も多いと思います。

この記事では、玉掛け技能講習について、取り方・費用・日数を、労働局や登録教習機関の公開情報からまとめました。フォークリフトとの違いや、工場でどう評価されるかも、公開情報から確認できた範囲で紹介します。

玉掛けとはどんな資格か

玉掛けとは、クレーンで重い荷物をつり上げるときに、フックに荷物をかけたり、外したりする作業のことです。

つり上げ荷重1トン以上のクレーン・移動式クレーン・デリック、または制限荷重1トン以上の揚貨装置でこの作業をするには、「玉掛け技能講習」を修了している必要があります。1トン未満なら、もっと簡単な「玉掛け特別教育」で足ります。この分かれ目は、労働安全衛生法施行令で決まっています。

工場のクレーンは1トン以上のものが多く、求人も技能講習の修了を条件にすることがよくあります。工場で働くために取るなら、基本は技能講習と考えておくとよいです。

フォークリフトとの違い

玉掛けとフォークリフトは、どちらも「1トン」が資格の分かれ目という共通点があります。ただし、扱う機械も作業内容もまったく別です。

玉掛け技能講習 フォークリフト運転技能講習
何をする資格か クレーンに荷物をかける・外す作業 フォークリフトを運転する作業
分かれ目 つり上げ荷重1トン以上 最大荷重1トン以上
未満の場合 玉掛け特別教育 フォークリフト運転特別教育
受ける時間の目安(資格なし) 19時間・3日ほど 35時間・4〜5日ほど

玉掛けは荷物をかける・外す作業、フォークリフトは運転する作業なので、工場によっては両方の資格を求める求人もあります。フォークリフトについては、フォークリフト免許の取り方・費用・日数で詳しく解説しています。

どこで受講できるか・受講資格

玉掛け技能講習は、国(労働局)に登録された登録教習機関で受講します。教習所のほか、クレーンの協会や組合が運営する教習センターもあります。料金を公開している教習機関には、日本クレーン協会(近畿支部・東海支部など)、那須クレーン教習所(栃木)、東京技能講習協会、東京クレーン学校、コベルコ教習所などがあります。

受講資格は、満18歳以上であること以外に大きな制限はありません。ただし教習機関によっては「一般者」と「実務経験者」でコースを分けているところがあります。実務経験者向け(つり上げ荷重1トン以上の玉掛け補助作業を6ヶ月以上経験、または特別教育修了後に1トン未満の玉掛け業務を6ヶ月以上経験、など)は、受講料が少し安くなる例があります。

費用の目安

費用は、教習機関によって差があります。持っている資格(クレーン・移動式クレーン運転士免許など)があると、免除される科目があり、料金も下がります。

2026年7月時点で確認できた教習機関の例です。

教習機関 資格なしの費用 保有資格ありの費用
茨城労働基準協会連合会 20,130円+テキスト1,680円 力学免除で18,260円
那須クレーン教習所(栃木) 22,500円+テキスト・保険料別 クレーン等免許保有者17,900円〜
東京技能講習協会 Aコース25,000円 Bコース(免除あり)23,000円
日本クレーン協会近畿支部 一般者20,705円 実務経験者18,705円
東京クレーン学校 Aコース27,000円 Bコース23,000円

※2026年7月時点・各教習機関の公式サイトの公開料金から。全国一律ではなく、教習機関によって18,000円台〜27,000円台まで幅があります。テキスト代・保険料が別料金になっている教習機関もあるので、申し込み前に総額を確認してください。

受講日数・時間

資格を何も持っていない場合の標準コースは、3日間・19時間ほどです(学科と実技を合わせて)。

クレーン・移動式クレーン・デリック・揚貨装置運転士免許を持っている人や、床上操作式クレーン運転技能講習・小型移動式クレーン運転技能講習を修了している人は、「力学に関する知識」「運転のための合図」の科目が免除されます。時間は15〜16時間ほどに短縮され、3時間ほど短くなります。

試験の中身・難易度

修了試験は学科と実技があります。一般の教習所受講者を対象にした、公式な合格率のデータは、今回のリサーチでは見つかりませんでした。

公的な数字として、公益社団法人全国工業高等学校長協会の資料に、令和3年度(2021年度)の合格率が載っています。全国合計で受験者1,749人・合格者1,718人・合格率98.23%でした。ただしこれは工業高校の生徒を対象にした調査で、一般の教習所受講者のデータではありません。参考程度に見てください。

根拠のはっきりしない合格率の数字が出回っていることもありますが、この記事では出典を確認できた数字だけを使っています。

資格手当・求人の時給の目安

求人サイト「求人ボックス」の給料ナビ(2026年7月時点)によると、玉掛け作業の仕事の時給の目安は次のとおりです。

  • 平均時給 … 1,443円ほど
  • 求人での時給の幅 … 1,300〜3,375円ほど
  • 正社員の月給 … 20万〜40万円ほど

これは玉掛け作業の仕事全体の目安です。資格を取れば必ずこの金額になる、という意味ではありません。

資格手当について、業界共通の決まった相場を示すサイトは見当たりませんでしたが、個別の求人例では、リフト・玉掛け・クレーンの資格手当として0〜6,000円ほどを挙げているものもありました。支給されても数千円程度で、支給されない求人も多いようです。手当の有無・金額は求人ごとに違うので、実際に応募先の募集内容で確かめるのが確実です。

有効期限・更新は?

玉掛け技能講習の修了証に、有効期限はありません。更新もいりません。日本クレーン協会東海支部のよくある質問にも、「技能講習修了証に有効期限はありますか?」という質問に対して「ありません」とはっきり書かれています。玉掛けも技能講習の一種なので、フォークリフトなど他の技能講習と同じ扱いです。

申し込みから修了までの流れ

日本クレーン協会近畿支部の案内によると、だいたい次の流れで進みます。

  1. 必要書類(実務経験者の場合は特別教育修了証の写しなど)をそろえて申し込む。
  2. 講習を受講する(学科・実技。コースによって日数が変わる)。
  3. 修了試験を受ける。
  4. 合格すると、修了証が交付される。

学科・実技のどちらか一方だけ不合格だった場合は、2ヶ月以内であれば再受講できる制度があります(再受講料8,000円という案内がありました)。両方とも不合格だった場合は、この制度は使えません。必要な書類や申し込み方法は教習機関ごとに違うので、選んだ教習機関の公式ページで確かめてください。

次にやること

玉掛けは、フォークリフトと並んで工場で求められることが多く、数日で取りやすい資格です。最後に、今日からできることを整理します。

  1. 持っている資格を確かめる。 クレーン・移動式クレーン運転士免許などがあると、受ける時間も費用も変わります。
  2. 通える教習機関を1〜2つ調べる。 「(住んでいる地域名) 玉掛け 技能講習」で検索すると出てきます。料金・日程・必要書類を見比べます。
  3. 日程を押さえる。 資格なしのコースは3日ほどかかります。仕事や予定と合う日を早めに確保しましょう。
  4. 費用を用意する。 だいたい1.8万〜2.7万円が目安です(教習機関・保有資格で変わります)。

どの資格から取るか迷っている人は、工場で稼げる資格の比較もあわせて読んでみてください。玉掛け以外の資格と、費用や使いやすさを見比べられます。フォークリフトとセットで取りたい人は、フォークリフト免許の取り方・費用・日数もどうぞ。

参考にした情報

登録教習機関・公的団体の公式サイトを中心にまとめました(取得は2026年7月)。金額や制度は変わることがあるため、最新の情報は各教習機関の公式サイトで確認してください。