工場や期間工の仕事は、契約期間が決まっていたり、体力を使う場面が多かったりします。「次はドライバーに転職しようか」と考えたことはありませんか。
運送業は人手不足が続いていて、未経験者を歓迎する求人も多いとされています。ただ、免許が必要だったり、拘束時間が長くなりやすかったりと、工場とは違う大変さもあります。ここでは、工場からトラックドライバーへ転職する場合に知っておきたいことを、公開情報からまとめました。
先に結論
先に要点だけ。
- ドライバーの仕事は、長距離の大型トラックから、地域密着の宅配・軽貨物まで種類がいくつかあります。拘束時間や働き方がそれぞれ違います。
- 中型・大型トラックを運転するには免許が必要です。会社によっては、取得費用を支援してくれる制度があります。
- 運送業界は人手不足のため、未経験・年齢を問わず採用する会社が比較的多いとされています。
- 給料は、厚生労働省の統計をもとにした情報では、大型トラック運転手で平均507万円程度、中型・小型で平均449万円程度です(全国平均・企業規模10人以上)。
どんな種類のドライバーの仕事がある?
トラックドライバーの仕事は、扱うトラックの大きさや配送のエリアによって、いくつかの種類に分かれます。
- 大型トラック:都道府県をまたぐ長距離輸送が中心。積める荷物が多い分、拘束時間も長くなりやすい。
- 中型・小型トラック:主要都市から運ばれた荷物を、地域の集配所へ分配する役割が中心。
- 宅配ドライバー:個人宅やオフィスへ荷物を届ける仕事。地域密着で日帰り勤務が中心になりやすく、生活リズムを保ちやすいとされる。
- 軽貨物:普通免許で運転できる軽自動車を使った配送。個人事業主(業務委託。会社に雇われず、仕事ごとに契約して働く形)として働くケースも多い。
必要な免許は?費用と日数の目安
トラックを運転するには、車両の重さに応じた免許が必要です。
| 免許の種類 | 取得できる年齢 | 運転できる車両の目安 |
|---|---|---|
| 準中型免許 | 18歳以上 | 車両総重量7.5トン未満・最大積載量4.5トン未満 |
| 中型免許 | 20歳以上(普通免許などを通算2年以上保有) | 車両総重量11トン未満・最大積載量6.5トン未満 |
| 大型免許 | 中型免許取得から一定期間経過後(普通免許取得済みなら概ね1年以上) | 車両総重量11トン以上・最大積載量6.5トン以上 |
費用は教習所によって差がありますが、公開情報では次のような目安が出ています。
- 中型免許(限定解除など):7万〜14万円程度
- 大型免許:合宿の場合、最短2〜3週間ほどで取得できるという情報もあります
全国一律の相場を示す公的な統計までは見つかりませんでした。応募・入校の前に、複数の教習所で見積もりを取ることをおすすめします。
運送会社の中には、免許取得の費用を会社が一部または全額負担する「免許取得支援制度」を設けているところもあります。ただし、一定期間内に退職すると費用の返還を求められることがある、という条件がついている場合もあるので、制度の中身を事前に確認しておくと安心です。
未経験・年齢の壁はある?
運送業界は人手不足が続いているため、未経験者や年齢を問わない採用が比較的多いとされています。
- 「トラック業界は年齢を問わず転職者を歓迎しており、40代・50代で未経験から採用する会社も多い」という記述が、複数の転職系メディアで見られます。
- 「普通免許のみで応募可能」とする求人もあり、入社後に中型・大型免許の取得を支援する会社もあります。
年齢の上限を裏づけるデータは今回確認できませんでした。そもそも、求人票で年齢を制限することは法律で原則禁止されています。年齢だけで応募をあきらめる必要はありません。
給料は工場勤務と比べてどう変わる?
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)をもとにした情報では、次のような年収の目安が示されています。
- 大型トラック運転手:平均507万円程度
- 中型・小型トラック運転手:平均449万円程度
この数字は、企業規模10人以上の事業所の全国平均です。地域や会社、経験年数によって差があります。大型免許を持っていると給料が上がりやすい傾向がある、という情報が複数のサイトで見られますが、工場の期間工と単純に比較できる公的な統計は見つかりませんでした。求人票の月収・年収例を見比べて判断してください。
きつい点は?
トラックドライバーの仕事には、次のような負担があるとされています。
- 長距離輸送は拘束時間が長くなりやすい
- 荷物の積み下ろし(荷役)が体力を使う場合がある
- 交通事故のリスクがある
- 宅配便では再配達の対応が負担になることがある
一方で、運転中は一人で作業する時間が長く、人間関係のストレスが少ないと感じる人もいる、という声もあります。工場のライン作業とは違う種類の大変さだと考えておくとよさそうです。
「2024年問題」は自分にどう関係する?
2024年4月から、トラックドライバーの時間外労働の上限が年960時間(月平均80時間)に規制されました。働き方改革を進める法律が、5年の猶予期間を経て運送業にも適用された形です。
国土交通省の資料によると、この規制への対応が進まない場合、2024年度には輸送能力が約14%、2030年度には約34%不足するおそれがあるとされています。
働く側から見ると、残業時間の上限が決まったことで、これまでより労働時間が抑えられる可能性があります。一方で、会社によっては人手不足への対応として、採用を強化する動きにもつながっています。
女性でもできる?
国土交通省は2014年から「トラガール促進プロジェクト」を進め、女性ドライバーの採用を後押ししています。2020年時点でトラックドライバー全体に占める女性の割合はおよそ2%台にとどまり、全産業平均(40%台後半)と比べるとまだ低い水準だという情報が複数のサイトで見られます。ただし、2024年問題を背景に、女性の採用を強化する会社も増えているとされています。
次にやること
工場からトラックドライバーへの転職は、免許の取得という準備が必要な分、工場から工場への転職とは違う手順があります。それでも、未経験・年齢を問わず採用されやすい傾向がある仕事として、公開情報から確認できました。
気になる人は、次のことから始めてみてください。
- 自分が扱いたい範囲を考える(長距離の大型か、地域密着の宅配・軽貨物か)
- 気になる運送会社の求人で、免許取得支援制度の有無を確認する
- 教習所の費用を複数比較する
- 拘束時間・休日の条件を求人票でチェックする
ほかの業種とも迷っているなら、工場の業種別 働きやすさ比較もあわせて読んでみてください。
読んだあと、不安が「やることリスト」に変わっていたら、まずは求人を1件、この目で見るところから始めてみてください。
参考にした情報
求人系メディアと国土交通省・厚生労働省などの公開情報を中心にまとめました(取得は2026年8月)。金額や制度は変わることがあるため、最新の情報は各社・各機関の公式サイトで確認してください。
- すべらない転職「トラック運転手の仕事内容と1日の流れ」(axxis.co.jp)
- バイトルマガジン「トラック運転手の仕事内容とは」(baitoru.com)
- 警視庁「準中型自動車・準中型免許の新設について」(keishicho.metro.tokyo.lg.jp)
- FROM40「大型トラックドライバーに転職!未経験でも有利に進める条件」(from-40.jp)
- GOジョブ「トラック運転手の給料はどれくらい?」(gojob.go.goinc.jp)
- 国土交通省「物流の2024年問題について」(mlit.go.jp)
- freee「2024年問題とは?物流・運送業界の働き方改革についてわかりやすく解説」(freee.co.jp)
- 全日本トラック協会「トラガール促進プロジェクト(国土交通省)」(jta.or.jp)
- 丸大運輸「ステップアップドライバー制度」(marudai-unyu.co.jp)
- 日興運輸「大型免許取得支援制度」(nikko-unyu.co.jp)
