ガラス工場の仕事はきつい?作業内容・時給と資格を解説

ガラスは1,700度以上の高温で溶かして作ります。この数字を知ると、暑さや力仕事のイメージが浮かぶ人も多いはずです。

ただ、ガラス工場と一口に言っても、板ガラス・びん・食器・特殊ガラスなど種類はいろいろで、仕事の内容も部署によって変わります。ここでは、ガラスメーカーの公式サイトや求人情報など、公開されている情報をもとに、仕事内容と「きつい」と言われる理由を整理しました。

ガラス工場と一口に言っても種類がある

ガラス工場には、作っている製品によっていくつか種類があります。

  • 板ガラス:窓や自動車のガラスなど。板硝子協会には、AGC、日本板硝子、セントラル硝子プロダクツの3社が加盟しています。
  • びん・ガラス容器:東洋ガラス(1888年創業)などが、飲料びんや食品容器などのガラスびんを作っています。
  • 食器・耐熱ガラス:HARIOの耐熱ガラスは、茨城県古河市にある工場で作られています。HARIOによると、耐熱ガラスを量産できる工場は日本でここだけとのことです。
  • 特殊ガラス:日本電気硝子は、電子機器や自動車、医療機器などに使う特殊なガラスを作っています。

同じ「ガラス工場」でも、作っているものによって仕事の中身は変わります。応募するときは、どの種類の工場かを確認するといいです。

作業内容:ガラスができるまでの工程

ガラスの作り方は製品によって細かい違いがありますが、基本の流れは共通しています(公開情報によると)。

  1. 調合・溶融:珪砂やソーダ灰、石灰石などの原料を混ぜて、1,300〜1,600度の高温で溶かします。
  2. 成形:700〜1,000度くらいの、蜂蜜のような柔らかさになったガラスを、製品ごとの方法で形にします。板ガラスは「フロート法」、びんは金型を使う「型成形」です。
  3. 徐冷:急に冷やすと歪みが出るので、550度前後から450〜520度くらいの温度帯を、ゆっくり時間をかけて通過させます。
  4. 切断・検査:最終的な形に切って、品質を検査したあと出荷します。

びんの製造では、原料を溶かした後に「ゴブ」と呼ばれるびん1本分の塊に切り分け、金型でびんの形を作っていきます。形ができたあとは、板ガラスと同じように徐冷炉でゆっくり冷やしてから検査・包装します。急に冷やすと割れやすくなるためです。

現場での具体的な仕事には、成形機の監視、金型に油を塗る「塗油作業」、金型の交換、検査機での検査や調整などがあります。

「きつい」と言われる理由

公開情報から確認できた、「きつい」と言われる理由は主に3つです。

暑さ。ガラスは1,700度以上の高温で溶かして作るため、工場の中はどうしても暑くなります。空調があっても、夏場は体力を使うという声があります。

重量物。ガラスそのものが重く、運ぶ作業は重労働になりがちです。実際の求人でも、板ガラス系の製造の仕事で「17〜20kgの重い物を扱うことがある」と書かれている例がありました。

単純作業の繰り返し。ガラスは機械で作るので、単純な作業の繰り返しが多い一方、細かい部分の調整や仕上げには手作業が必要です。

なお、粉じんについてはっきり書かれた公開情報は見つけられませんでした。この点は確認できなかったこととして書いておきます。

一方で、「人間関係がそれほど煩わしくない」「1人でこなせる仕事が多い」という声もあり、人と話すのが苦手な人には向いている面もあるようです。

時給・給料の目安

求人サイトに載っている例を集めました。仕事の内容によって、時給の幅はかなりあります。

  • 検品作業(重い物を扱わない):時給1,250円(日勤)〜1,688円(深夜22時以降)。
  • 製造オペレーション(3交替・重量物あり):時給1,500〜1,875円、月収例26万円以上。
  • 求人サイトの集計(大阪府):時給1,400〜2,500円、月給20万〜37万円程度(2026年8月時点・求人3,508件から)。

まとめると、力仕事の少ない検品系は時給1,200〜1,700円程度、重量物や交替勤務がある製造オペレーション系は時給1,400〜1,900円程度が目安です(2025年10月〜2026年8月時点の複数求人から)。実際の金額は、求人ごとに必ず確認してください。

未経験・女性・年齢について

ガラス工場の求人では、「未経験OK」がよく見られます。ある大手びんメーカーの求人では、未経験からの応募が可能で、20〜40代が活躍中、資格を取るための費用も会社が負担すると書かれていました。

女性については、検品・検査の仕事で「20代〜50代の女性が活躍中」「力仕事はほとんどないので体力に自信がない人でも大丈夫」といった記載が複数のサイトで見られました。ただし、業界全体でどれくらいの割合の女性が働いているかという統計データは見つかりませんでした。

夜勤・交替勤務はある?

ガラスを溶かす炉は24時間動かし続けることが多いため、製造ラインの仕事は交替勤務になることが一般的です。求人で見つかった例では、3交替制(朝・昼・夜のシフトを回す形)や、深夜帯は時給が上がる二交替制がありました。

一方、検品や梱包など、機械を止められる工程は日勤中心になっている求人もあります。ただし、これは今回見つかった求人からの傾向で、すべての会社に共通するわけではありません。

楽な部署・向いている人

比較的「楽」とされているのは、検品・梱包の工程です。力仕事が少なく、未経験や女性でも始めやすいという記載が複数見つかりました。

黙々と1人で作業を進めるのが好きな人、暑さより単純作業の繰り返しのほうが気にならない人には向いているかもしれません。反対に、力仕事や暑さが苦手な人は、検品・梱包などの部署を希望できるか、応募のときに聞いてみるといいです。

必要な資格はある?

入社の時点で必須の資格はない求人がほとんどです。ただ、フォークリフトやクレーン、玉掛けの資格を持っていると、材料や製品を運ぶ仕事で役立ちます。会社によっては、こうした資格の取得費用を負担してくれるところもあります。

資格を取って給料を上げたい人は、工場で稼げる資格の比較も参考にしてください。

次にやること

  1. 応募したい会社が「板ガラス」「びん」「食器」「特殊ガラス」のどの種類を作っているか、公式サイトで確認する。
  2. 求人票で、重量物の有無や勤務時間(日勤か交替勤務か)をチェックする。
  3. 力仕事が心配な人は、検品・梱包など体力の負担が少ない部署の求人があるか探す。
  4. 気になる求人が見つかったら、暑さ対策(空調・休憩の取りやすさ)を面接や見学のときに聞いてみる。

他の業種と比べてみたい場合は、工場の業種別 働きやすさ比較もあわせてどうぞ。